歴史年表暗記に必須なのが、語呂合わせ。「1192年(イイクニつくろう)鎌倉幕府誕生」の語呂は、だれしも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。語呂合わせは、脈略のない数字を覚えるのに最適です。しかし、すべての歴史次項に最適な語呂があるわけではありませんし、なかには「いまいちピンとこない」ような語呂もあります。そんなときは、自分で語呂合わせを作ってしまいましょう。
語呂合わせの基本
まずは自分で語呂合わせを作るときの基礎的な方法についてみてみましょう。
数字を日本語に置き換える
数字から語呂を作るには、数字と日本語の対応を知ることが必要です。以下に一覧を作っておくので、目を通してみてください。
- 0:ゼロ、レイ、オー(英語のアルファベットに見立てて)
- 1:イチ、イ、ワン(ONE)、ヒ(一つ)
- 2:ニ、ツー(TWO)、フ(二つ)
- 3:サン、ミ(三つ)
- 4:シ、ヨ(四つ)
- 5:ゴ、コ ※五つのイは1と紛らわしく、あまり使わない方が良い。
- 6:ロク、ロ、ム(六つ)
- 7:シチ、ナ、ナナ(七つ)
- 8:ハチ、ヤ(八つ)
- 9:キュウ、ク ※九つのコは5と紛らわしく、あまり使わない方が良い。
他にも自分で数字のイメージを足していっても良いでしょう。たとえば、0ならカラ(空っぽ)、ナイ(ない)などです。
頭文字連想法
あるグループに所属する物の名前の暗記には、頭文字連想法を使います。
例えば、生物では2重膜を持つ細胞小器官はどれかという問題があります。答えは、核・ミトコンドリア・葉緑体です。これらは核の「カ」、ミトコンドリアの「ミ」、葉緑体の「ヨ」をとって、かみよ=「神よ!」と覚えます。「神様に愛されている細胞だから2重膜」のようなこじつけ理論を作るとより覚えやすくなります。
このように、1つのグループに所属するものの名前を覚える場合は、頭文字を取って語呂を作り出しましょう。
頭文字連想法は古文で助動詞の意味を覚えたり、歴史で同盟国の名前を覚えたりといろいろな科目に使えます。
自作語呂の作り方
一番良いのは事項と語呂の関連性を持たせること
事項と語呂の関連性をなるべく持たせられるようにすると、記憶に残りやすくなります。
例えば1192年鎌倉幕府誕生は、イイクニツクロウ、で国を作るイメージと鎌倉幕府という国の中央政府ができたイメージがぴったり合っているので、無理がなく覚えやすい語呂になっています。
1192だと、極端に言えば「ワンワンのクツ」のような語呂もできるのですが、イイクニツクロウの方がずっとぴったり来ますよね。
自分で語呂を作るときもなるべく、事項と関連性が出るように考えていきましょう。
自分にとって連想イメージの強い語呂を作る
同じ語呂でも自分にとって連想イメージの強いものとそうでないものがあります。
私は猫が好きなので、ナンバープレートなどの3392という数字を覚えるなら、ミミナク→猫のミミちゃんが鳴いている…とかわいいイメージで強烈に覚えることができます。しかし、猫に強い思いがない人には覚えにくい数字かもしれません。自分が簡単にイメージができる語呂を作るべきです。
例えば645年大化の改新ですが、私が学生時代に先生から聞いたものには、2種類ありました。
- 曽我氏を645(ムシゴロシー蒸し殺し)、大化の改新。
- 645(ムシゴメ―蒸し米)たいて、祝おう、大化の改新。
私としては、前者の方がイメージが強かったので、ムシゴロシで覚えていました。恐怖とか恐ろしいというイメージの方が、ムシゴメのお祝いムードより強かったからです。
恐怖のイメージは非常に強いので、うまく利用すれば覚えやすい語呂を作ることができます。
やや強引でも、記憶に残るものを
できるだけ事項と語呂の関連性が出るように考えたほうがいいのは前述したとおりですが、そうもいかない場合もあります。
どうしても関連性が思いつかない場合は、強引に事項と結びつけてしまっても大丈夫です。連想力を駆使して、記憶に残るものを作り出しましょう。
例えば、593年は聖徳太子が摂政になった年です。私がすぐに思いつく語呂といえば、「コックさん」ですね。しかし、聖徳太子とコックさんには何の関連性もありません。
そんな時は頑張って連想し、「摂政は国をうまく料理するコックさんみたいな存在だから…」と結びつけてしまいます。
かなり強引ですが、記憶に残れば何でも構わないのです。
イラストを描いたりして、映像化する
強引な語呂はどうしても覚えにくい部分があります。そういう時はイラストを描いたり、好きな俳優が演じている姿を思い浮かべて、映像化すると覚えやすくなります。
書店で見る語呂合わせの本の多くには、このようなイラストが描かれています。言葉だけだと強引すぎてインパクトに欠けても、目に見える形になるとイメージが定着しやすくなるのです。
強引な語呂はイラストにするとかなりシュールになるので、笑いながら覚えられるかもしれません。
自作語呂のメリット
語呂を作る過程がすでに暗記に最適
良い語呂というのはすぐにできるものではありません。1つの数字を覚える方法も読ませ方によって何パターンもあり、どれが一番自分にとってしっくり来るか、悩みながら作るわけです。
実は自作語呂の最大のメリットは、語呂を作るために四苦八苦しているこのような時間といえます。数字・用語の羅列は、「いやだなあ」と思いながら流し読みするだけで全く記憶に残らないものです。しかし、語呂を作るためとなれば、その元となる数字・用語を非常に集中して見つめることになります。
そうして語呂をひねりだそうと集中している時間、それ自体がすでに暗記に最適なのです。
良い語呂ができればもちろん、仮にイマイチなものしかできなかったとしても、ただただ流し読みしているよりはずっと暗記がはかどっているはずです。
様々な教科・内容に対応できる
学校や塾で教えらえる語呂もよいですが、「ここが覚えられない!」というあなたの悩みにピンポイントで答えてくれるわけではありません。自分が苦手としている箇所に個別に対応するためには、自分で語呂をつくってしまえばよいのです。
自作語呂は教科、内容を問わず様々な場面で使うことができるので、とても便利です。
語呂に愛着ができる
書店をのぞけば、語呂を使った年表暗記、用語暗記の本が見つかりますし、インターネットを調べればいろいろな語呂が手に入ります。ただし、他人が作った語呂はうまく覚えられないことも多いです。
覚えるべき語呂が一覧としてずらっと並んでいると、逆に覚える気をなくしてしまうということがあるのです。人が作った語呂はあなたの感性とは違うところでできているので、イマイチしっくり来ない場合もあるでしょう。
しかし、自分で作った語呂は自分だけのもので、他人から「こう覚えよう」と押し付けられたものではありません。良い語呂には自然と愛着がわき、無理なく覚えることができるのです。
他の人に差をつけられる
自作語呂は自分が作った暗記方法。もちろん他の人は知りません。例えば「1192年(イイクニツクロウ)鎌倉幕府誕生」のような有名な語呂は誰もが知っているので、試験に出ても沢山の人が正解するでしょう。それに対し、自作語呂がカバーする範囲はあなただけの得意分野になります。
自作語呂を使って暗記を効率的にすすめよう
自作語呂は、いろいろな教科・内容に対応できます。たくさん数をこなすことで、語呂作りのコツが身についてくるはずです。
語呂を作り出す過程もまた暗記に役立つので、ぜひ挑戦してみましょう。